このブログでは、誘電体絶縁破壊と、ANSYS Maxwellを使用した誘電体絶縁破壊電圧の計算方法について説明します。誘電体は電気絶縁材料であり、すべての誘電体には、それを超えると誘電体破壊と誘電体内での電気アーク放電を引き起こす電圧限界があります。誘電体電圧とは、それを超えると誘電体のイオン化が始まる電圧限界のことです。絶縁破壊電圧とは、誘電体が完全にイオン化し、完全な電気アーク放電が発生するような、誘電開始電圧を超える電圧限界のことです。
モデル
この例では、ANSYS Maxwell 静電ソルバーを使用しています。モデルは、電位 100V の銅電極、電位 0V の銅ディスク、E フィールドとフィールドライントレース(円弧線)をプロットするためのポスト処理用の長方形、および図示しないモデル領域の境界で構成されています。
セットアップ
Analysisを右クリックし、”Add a Solution Setup “を選択します。Setup1を右クリックし、”Analyze “を選択します。
結果
後処理の矩形の上で右クリックし、「フィールド >>マーカー >>」を選択します。次に、後処理の矩形を右クリックし、「フィールド」 >> 「マーカ」 >> を選択し、「マーカの追加」を好きな数だけ選択し、興味のある場所に配置します。マーカーの位置は編集することができます。この例では、1mmの間隔で5つのマーカーが選択され、電極先端の中心に1つのマーカーがあります。
次に、Field Line Trace を追加して、領域ボリュームを選択し、モデルに追加されたすべてのマーカーを選択します。
Field Line Traces (Arc Lines)は、ポスト処理矩形上の電場マグニチュード分布に重畳されます。
Field Line Traceプロットを右クリックし、”Inception Voltage Evaluation “を選択します。
マーカーに対応するすべての行をハイライトし、”Evaluate “を選択します。必要に応じて誘電特性を調整します。ストリーマ定数 “k “はガス種に依存し、0~1の間の値です。kが1に近づくにつれて、開始電圧と絶縁破壊電圧の値が近くなります。